緩効性窒素肥料について

  • 有機肥料のようにゆっくり肥効が現れ、長く効き続けるように作られた肥料を緩効性窒素肥料と呼びます。
  • 表に主な緩効性窒素肥料についてまとめてみました。
表 主な緩効性窒素肥料とその特徴

窒素資材名 原料 窒素含量 特徴
IB 尿素+イソブチルアルデヒド IB窒素単体はN31% ・粒の大小が窒素肥効の長短を支配し、大粒のものほど緩効性が高い。
・分解速度は、粒径の違いのほか、pH、土壌水分、地温に左右される。
・乾いた状態では分解溶出が少なく、肥効が十分現れないこともある。
CDU 尿素+アルデヒド CDU窒素単体はN31% ・微生物により有効化するため、地温の高低が窒素肥効の長短を支配し、地温が13℃以下になるとほとんど肥効がなくなる。
・土壌水分、温度の影響を受け、有機肥料よりも肥効は遅い。
・連用するとCDU分解菌が増殖し分解が進みやすくなるため緩効性が低下する。
ウレアホルム 尿素+ホルムアルデヒド ウレアホルム窒素単体はN38% ・尿素とホルムアルデヒドのモル比をU/F比というが、U/F比が小さいほど水に溶けにくくなる。
・野菜などの一般畑作物にはU/F比3のものが、生育期間の長い永年作物にはU/F比2のものが用いられている。
グアニル尿素 原材料は石灰窒素 ・微生物分解性で、土壌のEh(酸化還元電位)と関連が大きく、Ehが低下すると分解が促進される。
オキサミド アンモニア、一酸化炭素から作られた有機化合物 オキサミド単体はN30% ・加水分解や微生物分解によって無機化し、水田より畑地で無機化が促進される。