ブルーベリーの栽培(暖地)

Ⅰ.導入に当たっての基礎データ

1.全体の概要

・植付後3年目から収穫を開始し、7年目で成木に達し、25~30年で更新するのが一般的である。
・ブルーベリーのタイプとしては、九州では気象条件的には、サザンハイブッシュ、ラビットアイが適している。
・ブルーベリーの根は繊維根で浅根性のため、成長に適した地下水位は、普通作物と同程度の地表下45~60cmである。
・ブルーベリーは代表的な好酸性作物で、成長に好適な土壌pHは4.2~4.8(5.3)である。

2.反収および単価

・成木の収量は、10a当たり600~700kg程度と思われる。
・卸売価格は、1kg当たり2,000円程度で取引されているようである。

3.労働時間

・収穫と出荷調製に時間を要するようで、10a当たり500時間程度かかるようである。

4.必要な苗木の量と価格

・苗1鉢1,000~1,500円で10a当たりおよそ140~160本植え付ける。
・植付2年間の育成費を加えると、成園になるまで10a当たり約50万円かかるようである。

Ⅱ.栽培技術

1.開園の準備

・10a当たり完熟たい肥を2~3t散布・耕起し、植付の6か月前までに硫黄を散布して土壌pHを下げておく。
・まず、園地全体を20~30cmの深さまで耕起し、樹列を決め、1樹当たりピートモスを50~100㍑、籾殻50~100㍑を帯状に散布してロータリで撹拌し、土を寄せて高畦にする。

2.植え付け

・植え付け時期は、春植えと秋植えがあり、比較的冬季が温暖な地方では、秋植えを行うと土壌に早くなじみ、翌春の成長が早く始まる。
・樹間3.0m×2.0~2.5mの栽植密度で植え付けを行う。
・訪花昆虫による他家受粉率を高めるために、混植(2~3列ごとに異なる品種を植える)する。
・植付の方法は、挿し木後2年生の鉢苗をポットから取り出し、植穴を掘った中に湿らせたピートモスを入れ土と混ぜたところに、根をほぐして植え付け、バケツ1杯分灌水する。

3.幼園における管理

・苗木、幼木は支柱に結束して、風による倒木や新梢の折損を防ぐ。
・株元を中心に、厚さ10~15cmの有機マルチを敷く。
・植付年は2回、2年目は3回、普通化成(8-8-8)を1樹当たり30g施用する。なお、窒素形態は、必ずアンモニア態のものとする。
・花芽はすべて摘み取り、細くて弱弱しい枝も切除する。根量に比較して地上部が大きすぎる場合、30~40cmの高さに切り詰める。
・4~10月の生長期間中、自然の降水量が十分でない時は、1樹当たり10~15㍑を5日間隔でかん水する。

4.成園における管理

(1) 春作業
① 施肥
・果実の急激な成長、新梢伸長に必要な養分を与えるため、3月下旬に普通化成肥料(8-8-8)を、樹冠下に株元から30cm以上離して、1樹当たり70~100g施用する。その後は、6週間間隔で、合計4回施肥する。
② ミツバチの放飼
・他家受粉による結実率を高めるため、5%開花時から花冠落下時まで、10aに1巣(小型のもの)、ミツバチの巣箱を園内に設置する。
③ 摘花房
・大粒果を安定的に生産するために、長さ5cm以下の枝、5cm以上でも着葉していない枝は、すべて基部から除去(摘花房)する。
(2) 夏作業
① 樹勢の管理
・7月上旬頃、伸長している発育枝の中から2本を選別して残し、他は切除する。
② 灌水
・梅雨明け後は、活発な蒸散作用と光合成活動を支えるため、十分量の灌水を行う。
③ 鳥害対策
・果実が着色し始めた頃から、全園を防鳥ネットで被覆し、スズメ、ヒヨドリ、カラスなどによる食害を防止する。なお、防鳥ネットは、収穫期の終了後は取り外し、翌年の使用のため保管しておく。
④ 収穫
・早い品種は6月から、遅い品種では8月から収穫が始まり、遅いもので9月中旬ころまで続く。
・ブルーベリーは、樹上でのみ完熟し、1品種(1樹)の収穫期間は3~4週間である。
・成熟果は、雨に当たると裂果する。見つけ次第除去し、その場で土中に埋めるなど処分する。
(3) 秋作業
① 剪定
・品種によっては、樹形を乱している旺盛な徒長枝を切り返す9月剪定を行う。
② 有機マルチ
・11月上旬に、有機マルチの補給を行う。
(4) 冬作業
・最も重要な管理作業である冬季剪定を2月中旬~3月上旬に行う。
(5) 雑草対策
・有機マルチをしていない樹列間などを中心に、雑草の伸長が始まる前に、月に1回程度中耕除草する。
(6) 病害虫
・注意を要する病害は、灰色かび病、枝枯れ病、斑点落葉病、果実腐敗病、モニリアなどである。
・注意を要する害虫は、コガネムシ類、ケムシ類、ハマキムシ類、ミノムシ類、カイガラムシ類、イラガ類、ゴマダラカミキリムシなどである。
・オウトウショウジョウバエは、成熟果に加害して著しい被害をもたらすため、農薬による防除が必要である。