イチゴの栽培

Ⅰ.イチゴの概要

1.イチゴの導入

(1) 栽培面での特徴
・花芽分化を人為的にコントロールすることにより、長期間の営利栽培が実用化されている野菜である。
・イチゴには温度と日長に反応して花芽を作る一季成り性品種と、日長の長さに関係なく花芽を作る四季成り性品種があり、夏の涼しい北海道は全国一の四季成りイチゴの産地である。
・栽培面でのポイントは根張りを良くし、充実した株を育成することである。
(2) 経営面での特徴
・イチゴは劣悪な作業姿勢が多い、10a当たりの作業時間が約900時間の典型的な労働集約的作物である。
・労働環境の改善に高設栽培は有効であるが、10a当たりの導入コスト200~600万円に見合うだけの収量増が達成されていないことから今後、低コスト化と収量増が可能な技術の開発が必要である。

2.来歴

・イチゴはヨーロッパや北アメリカ東部、南米チリに野生種が存在し、14世紀頃から何らかの栽培が開始されたと考えられる。
・オランダイチゴ属で初めて栽培化されたのはエゾヘビイチゴ (Fragaria vesca) で17世紀のことであり、現在のようなイチゴ(バラ科の栽培イチゴ)は、18世紀にオランダの農園で小粒ながら味のよい北アメリカ東部原産 のバージニアイチゴ (F. virginiana) と、色つやはよくないものの大粒の北アメリカから南アメリカ西部海岸原産のチリイチゴ (F. chiloensis) の交雑によってつくられ、オランダイチゴと呼ばれている。
・わが国では平安時代から野生種を食用として利用していたが、作物として栽培されるようになったのは江戸時代の終わり頃にオランダイチゴが輸入されてからといわれており、明治初期(1872年)に北海道開拓使や勧農寮が本格的に栽培を開始したが普及しなかった。
・1889年に福羽逸人がフランスから「ゼネラルサンジー」種を導入し、後に「福羽」種を育成した。
・当初は天皇家の食用として採用され、その後の石垣イチゴや新潟園試育成の「阿賀」、萩原農場育成の「章姫」の基となった。

3.分類と形態的特性

(1) 分類
・イチゴは、バラ科オランダイチゴ属の多年草である。
(2) 根
・クラウンの葉柄基部から太い1次根が20~100本発生し、2次根、3次根(根毛)へと分岐していく。
・イチゴの根は乾燥と土壌塩類に極めて弱い特徴がある。
・イチゴの根は着果負担によって著しく衰弱する。
(3) 茎
・イチゴは葉腋からランナーと呼ばれる匍匐茎を出し、親株から子株さらに下位の子株へ養水分の供給を行う。
・クラウンは子株の第1葉から発生したごく短い茎のことで、ここから葉や多数の1次根が発生する。
(4) 葉
・新葉はおよそ8日に1枚の割合で展開し、年間20~30枚になる。
・葉縁の欠刻先端には水孔があり、根の活性が高いとここからの溢液が多くなる。
・イチゴは葉が7~8枚できると、生長点に花が次々と作られ花房ができる。
(5) 花
・イチゴの花は通常5枚のガクと5枚の副ガク、5枚の花びらを持った両性花である。
・花には約30本の雄しべと200~400本の雌しべがあり、雄しべは花びらのすぐ内側に、雌しべは中央の花床についていて、ミツバチ等の訪花昆虫によって花粉が運ばれ受精する(風媒もある)。
・イチゴの花は花序の開花順序に従って大きさが減じることから、下位花が上位花より大果になることはない。
(6) 果実
・受精後に花托が肥大して果実となる。
・大きな花托は雌ずい数が多く、開花の時点で大果となることが決まっている。
・受精するとき花粉が一部の雌しべだけにしかつかないと花粉がついた部分の花床だけが生長し、他の部分は生長できずいびつな果実になってしまう。

4.生育上の外的条件

(1) 温度
・生育適温は17~25℃で比較的冷涼な気候を好み、夏の暑さや、浅根性のため乾燥には弱いものの寒さには強く、雪の下でも冬越しする。
・北海道では11月下旬の気温が5℃以下になると生育が止まり、ロゼット状となって越冬体制が形成される。
・イチゴが受精して果実が生長するには最低気温が5℃以上必要で、昼20~24℃、夜間6~10℃が適温である。
・30℃以上で 生育が抑制され、35℃以上では果実の奇形が発生する。
・高地温では、肥料濃度障害が出やすくなる。
(2) 水分
・イチゴの根は土壌溶液濃度の上昇に極めて弱いことから、過乾や過湿が繰り返されないよう、土壌水分が不足しないよう管理する。
(3) 光
・イチゴの光飽和点はおよそ2万ルクス程度である。
・促成栽培ではビニールや内張りカーテンなどで遮光されるため、特に光条件を良好にする必要がある。
・イチゴでは1日の光合成のおよそ60%が午前中に行われるため、保温資材の開閉などは午前中の採光を考慮して行うべきである。
(4) 土壌
・イチゴの根は土壌溶液濃度の上昇に極めて弱いことから、腐植含量が多く(緩衝能力が高く)、耕土の深い土壌が適している。

5.品種

(1) 一季成りと四季成り
・温度と日長に反応して花芽を作る品種群を一季成り性品種、日長の長さに関係なく花芽を作る品種群を四季成り性品種という。
・一季成り性品種は低温・短日の期間を過ごさせ、その後の高温・長日条件で開花・結実することから、自然条件下では収穫は短期間で終了する。
・一方、四季成り性品種は低温・短日の条件を過ごさせれば、その後は花芽分化に対する基本的な要素は必要なく、春と秋の2回収穫ができることになる。
・四季成り性品種は一季成り性品種と比較するとランナーの発生数や収量が少なく、果実の品質が劣るが夏の果実がやわらかい利点がある。
・夏の涼しい北海道は、全国一の四季成りイチゴの産地である。
(2) 北海道の主要品種
・北海道で作られているイチゴの主な品種は次のとおりである。
1) けんたろう(北海道育成)
・「きたえくぼ」×「とよのか」を交配して育成された一季成り性品種で、道内一季成りイチゴの作付面積の約5割を占める。
・果形は円錐形で大型、果実の硬さはやや硬く、糖度の高い良食味種。
・果房数、着果数が少ないことから収量性はやや劣るが上物が多い。
・果皮の色は鮮紅色で光沢は良く、日持ち性がよい。
・果心の空洞は少ない。
・うどんこ病にかなり強く、萎黄病、萎ちょう病にも強い。
2) さがほのか(佐賀県育成)
・「大錦」×「とよのか」を交配して育成された一季成り性品種。
・果形は円錐形で大型、果肉は硬くて揃いが良く、秀品率、大玉率が高い。
・連続果房が出蕾、収量の波が少なく多収性である。
・果皮の色は光沢ある鮮紅色で美しい。
・糖度が高く酸度が低いため食味は良好。
・果皮、果肉の硬度が高いため輸送性が高い。
・休眠が浅いことから、ハウス加温栽培で長期間収穫が可能である。
3) 宝交早生(兵庫県育成)
・「八雲」×「タホー」を交配して育成された一季成り性品種。
・促成~抑制の全作型に用いることができる生食用イチゴで、露地栽培や無加温ハウス栽培に適している。
・果実は円錐形で大果。
・果皮は鮮紅色で光沢もよい。
・食味は糖度が高く、酸度が低く良好であるが日持ち性は乏しい。
・うどんこ病に強く、果数型で多収で栽培しやすい。
4) すずあかね(ホクサン育成)
・四季成り性品種で、道内四季成りイチゴの作付面積の約3割を占める。
・果形は丸みを帯びた球円錐形で、色は明るい橙赤色。
・秋期の光沢が良く、適度な硬さで輸送性、日持ち性が良い。
・果重は夏美より2~3g大きく、糖度は際立って高くないが、酸味が少なく食味良。
・黒斑病に弱いことから、栽培にあたっては予防的防除を実施する。
・「すずあかね」は個人での苗増殖が禁じられており、定植苗(冷蔵苗)を購入する必要がある。
5) ほほえみ家族(造田芳博氏育成)
・「女峰」×「サマーベリー」の選抜系統に「みよし」×「サマーベリー」の選抜系統を交配して育成された四季成り性品種。
・果実は円錐形でやや大きく果皮の色が鮮紅、果実の光沢は強く果心の色は赤、果実の空洞は小である。
・草勢はやや強く、ランナーの数はやや少である。
6) 夏実(ホクサン育成・HS-138)
・(「Tribute」×「エバーベリー」)×「盛岡16号」を交配して育成された四季成り性品種。
・果実は円錐形でやや大きく果皮は鮮紅色で光沢があり、果肉が硬く洋菓子やケーキ他業務用に適している。
・酸味はやや低く、香りは少ない。
・草姿は開張性で草勢はやや強、草丈はやや低く、果房数・果数が多い。

6.作型

・北海道での主な作型は次のとおりである。
(1) 一季成り性品種
1) 無加温半促成
・8月下旬定植、5月下旬~6月中旬収穫
2) 露地
・8月下旬定植、6月下旬~7月中旬収穫
(2) 四季成り性品種
1) 秋植え
・8月下旬定植、5月下旬~11月上旬収穫
2) 春植え
・4月下旬~5月下旬定植、7月上旬~11月上旬収穫

Ⅱ.親株の管理

1.苗の購入

・イチゴの収量は苗質によって大きく左右されるので、親株を毎年更新(ウィルスフリー苗を購入)して定植し、良質苗を採苗する。

2.定植と定植後の管理

(1) 定植
1) ほ場の選定
・可能であれば、水田後作のような無病土壌に定植することが望ましい。
2) 定植時期
・親株の定植は8月下旬までに行い、秋のうちに株を充実させる。
3) 施肥
・基肥として10a当たり窒素8kg、リン酸10kg、カリ8kg施用する。
4) 栽植密度
・畦幅2m、株間1mで1株から子苗を30本程度採取する。
(2) 管理作業
・活着後に発生してくるランナーは、早めに摘除する。
・越冬前に病害虫の防除や枯葉かきを行う。

3.融雪後の管理

(1) 施肥
・融雪後、枯葉を取り除き、窒素5kg、カリ6kg程度分施する。
(2)トンネル被覆
・早めにトンネル被覆を行い、高温管理を行うことによりランナーを早く出して大苗を作るようにする。
(3) ランナーの着地
・誘引床はあらかじめ雑草処理と耕起を行って、ランナーが着地しやすいようにしておく。
・ランナーの着地を促進するため、乾燥気味の場合は、誘引床にかん水を行う。
・ランナーは必ずピン等で留め、風などで動かないようにする。
・北海道では道南農業試験場が開発した「もみ殻採苗法」が普及しており、HPで紹介されている。

4.採苗

(1) 良質苗の確保
・葉面積が大きく、根量が多い健全な苗を選んでポット等に仮植(鉢上げ)する。
・採苗するときは、親株側のランナーを2~3cm程度残して掘り上げる。
(2) 仮植の準備と方法
・仮植する場合は、窒素のコントロールにより花芽分化を促進できるポット育苗を採用する。
・ポットは3.5号鉢(10.5cm)を使用し、ポットなどを並べる床は水が溜まらないようかまぼこ型につくり、育苗シートなどを敷くといった工夫をする。
・仮植は6月下旬から始め、浅植えとする。
・仮植後に黒寒冷紗などで遮光するとともに、こまめに潅水して活着を促進する。
・7~10日で活着するので、活着したら遮光資材を取り除く。
(3) ポット育苗の施肥
・ポット育苗の施肥は、育苗前半に窒素を効かせ、後半は低温・短日の感受性を高めるため窒素を控えるように速効性の施肥設計とする。
・3.5号鉢の場合、窒素成分量で1株当たり150mg程度を目安とする。
・元肥+追肥の施肥体系なら元肥のチッソ成分を70~100mg程度とし、液肥などで追肥する。
・多くの品種は花芽分化の誘導期に体内窒素が多いと花芽分化が遅れるので、8月15日ごろ以降は追肥を行わないようにする(ただし、「とちおとめ」は芯止まり株を発生させないため、8月中旬以降も肥切れしないようある程度の窒素施用を行う)。
(4) ポット育苗におけるかん水管理
・ポット育苗では、基本的に毎日潅水する。
・天候によって異なるが午前中の潅水を基本(必要に応じて午後も行う)とし、夕方に培土の表面が軽く乾く程度に管理する。
・一般的には頭上潅水が行われているが、潅水過多になると炭疽病の発生を助長するため注意が必要である。
・炭疽病の発生が懸念される場合は、底面潅水法や吸水性の資材を介した潅水法などを検討する。
(5) 下葉の整理
・新葉が展開してきたら本葉を3~4枚程度残すようにして、ランナーと下葉を定期的に整理する。
・ハダニ類は下葉に多く発生するので、防除の観点からも定期的に下葉をかくようにする。
・定植までに草丈15cm、葉数5~6葉の大苗を作るようにする。

Ⅲ.本畑の管理

1.苗の確保

・定植苗は、親株から自家増殖した良質の大苗(葉が5~6枚以上で、株元のクラウンが大きくて短く、白くて太い根が多いもの)を利用する。
・苗を購入する場合は、はだか苗が一般的なので購入後、根が乾燥しないうちに速やかに定植する。

2.ほ場の準備

(1) 適土壌と基盤の整備
・イチゴの根は濃度障害を起こしやすいので腐植を多く含んだ緩衝能の高い、保水性と通気性に富んだ土壌が適している。
・これらに近づけるため、堆肥の施用や深耕は特に重要である。
(2) pHの矯正と土壌改良
・好適 pHは6.0前後である。

3.施肥

(1) 肥料の吸収特性
1) 総論
・好適肥料濃度レベルは野菜中最も低い。
・養分吸収量は果菜中で最も少ない。
・ECの好適レベルは、0.2~0.3mS以下である。
2) 窒素
・窒素についての好適レベルは乾土100g中の硝酸態窒素が5mg前後である。
3) リン酸
・果実生産におけるリン酸の利用効率は低い傾向がある。
4) その他の要素
・ケイ酸の吸収量はカルシウム並みに多い。
(2) 施肥の考え方
・濃度障害を回避するため基肥と追肥に分けるか、有機質肥料や緩効性肥料を使用する。
・施肥量は10a当たり窒素10kg、リン酸12kg、カリ10kg程度とする。

4.定植

(1) 畦立て、マルチ
・ベッドは、高さ20~30cm(幅70~80cm)の高畦とする。
・土壌水分が多いほ場や土が締まりやすいほ場では、定植時にマルチを敷設する。
・通常は、摘葉後にマルチする。
(2) 定植時期
・一季成り品種の苗の定植時期は8月中旬(遅くとも8月末まで)、四季成り品種は8月下旬または5月である。
(3) 定植の方法
・定植前日に苗をどぶ漬けにするなどして、十分かん水しておく。
・栽植密度は、畝幅はベッド幅によるが75cm程度、株間30~33cm程度(10a当たり4,000株前後)とする。
・植え付け深さは鉢土面が植床面と同じ程度の浅植えとし、クラウンを埋め込まないようにする。
・深植えは生育を悪くし、病気発生の原因ともなるので注意する。
・植え付ける方向は、親株側から残しておいたランナーを畦の内側に向けて定植する。
・実になる花房はランナーのあとがある方の反対側に出てくるので収穫しやすなり、果実に光が当たるので着色もよくなる。
・花房はクラウンの傾いた側に伸長する性質があるので、ランナーを45度くらいにさして固定すると、苗が20~25度傾いた状態となり花房の発生方向を調節できる。

5.定植後の管理

(1) 活着、初期生育の促進
・定植後は高温のためしおれやすいので随時かん水を行い、寒冷しゃで半日陰にして活着を促進させる。
・活着後に発生してくるランナーは、早めに摘除する。
・定植が遅れてしまった場合はベタガケ資材などで被覆し、生育の促進を図る。
(2) マルチ
・9月下旬にポリフィルムでマルチ(黒またはグリーン)をすると雑草を抑え、生育もよくなる。
・マルチは育っているイチゴの上から畦全面をフィルムで覆い、イチゴの株で盛り上がっている位置のフィルムに刃物で十字に切り目を入れ、イチゴの葉を傷めないよう丁寧にフィルムの上に出してやる。
・マルチの中には必ずかん水チューブを敷設する。

6.越冬後の管理

(1) ハウスの被覆時期
・出荷時期を考えながらハウスの被覆開始時期を決定する。
・無加温ハウスでは2月中~下旬に行い、トンネルやべた掛け資材を併用して気温の確保を行う。
(2) 温度管理
・出蕾期までは最高気温30~35℃、その後、開花始めまでは最高気温25~30℃とやや高めの温度で管理する。
・その後は日中、高温になりすぎないよう寒冷しゃで被覆して果実の肥大促進を図る。
・雨天が続く場合は寒冷しゃを取り日光を十分当てる。
・遮光率はあまり高くない50%程度のものを利用する。
・最低気温は必ず5℃以上を確保するようにする。
(3) かん水
・クラウン周辺がよく湿る散水方式を採用すると一次根が発生しやすくなる。
・かん水は天候にもよるが、開花始めまでは10a当たり1.5t程度を3~5日に1回行う。
・果実の肥大始めからは1回当たりのかん水を10a当たり3tに増やし、収穫始めからは5t程度を天候をみながら3~4日に1回行う。その後は徐々にかん水を減らしていく。
(4) ミツバチの利用
・果実が正常に発達するためには、果実の表面にあるそう果1つ1つに完全に受粉させることが大切であることからミツバチが利用される。
・ミツバチをイチゴの花に慣れさせるために、開花の2~3日前に巣箱を設置しておく。
・ミツバチは温度20~25℃、湿度30~40%で活動が盛んになり、30℃以上の高温や極端な低温では活動しないので温度管理には十分注意する。
(5) その他の管理
・枯葉は融雪後すみやかに摘除する。
・その後も随時、葉かきを行う。
・葉かきが不十分で枯葉が残っていると灰色かび病が発生しやすくなるので丁寧に行い、通気性を良くしておく。
・摘葉することにより新根の発生を助長することが可能となるが、過度に行うと収量、糖度の低下をきたすので、一株当たり最低16枚以上の葉は残すようにする。
・養分を実に回すため、開花・結実期に伸びてくるランナーは株元から摘み取る。
(6) 生育診断
・一般に、葉色は暗・濃緑色より明緑色の方が生育が健全である。
・葉は肉厚でゆったりとしている形状がよい。
・濃度障害が起こると根の損傷、葉縁の水孔からの溢泌停止、チップバーンが発生する。
・窒素不足になると下位葉や葉柄、ランナーが赤褐色となり組織が硬化し、葉に紫褐色の輪紋症状が出る。

7.主な病害虫と生理障害

(1) 病害
・北海道において注意を要する病害は、萎黄病、萎凋病、ウィルス病、うどんこ病、疫病、炭疽病、灰色かび病などである。
(2) 害虫
・北海道において注意を要する害虫は、アブラムシ類、シクラメンホコリダニ、センチュウ類、ハダニ類などである。
(3) 生理障害
・主な生理障害は、奇形果、奇形果、先端軟化、先白果、先づまり果、着色不良、葉枯れ(ガク枯れ、チップバーン)、乱形果(鶏冠状果)などである。

8.収穫

(1) 収穫適期
・開花後の積算温度がおおむね650℃前後で成熟するので、収穫は開花後おおむね30~40日頃となる。
(2) 収穫方法
・気温の高い時間帯での収穫は慎み、収穫したイチゴは晴天下の直射に放置せず、速やかに涼しい室内に運ぶ。

9.施肥のまとめ

・各ステージでの施肥設計(例)は次のとおり。
採苗ほ

 区分 肥料名 施用量
(kg/10a)
窒素 リン酸 カリ 苦土 備考
 基肥 NS262 30 3.6 4.8 3.6 ・追肥は融雪後、春に行う
 S839E 30 2.4 3.9 2.7
エコロング413(140日) 30 4.2 3.3 3.9
 追肥 S444 35 4.9 1.4 4.9 1.8
合計 125 15.1 13.4 15.1 1.8

収穫ほ

 区分  肥料名 施用量
(kg/10a)
窒素 リン酸 カリ 苦土  備考
 基肥 S839E 100 8.0 13.0 9.0  ・ 土壌診断値の硝酸態窒素に応じて減肥する
・追肥は葉色を見て判断する
エコロング413(100日) 40 5.6 4.4 5.2
 追肥 S444 20 2.8 0.8 2.8 1.0
合計 160 16.4 18.2 17.0 1.0