キウイフルーツの栽培(暖地)

Ⅰ.導入に当たっての基礎データ

1.全体の概要

・植付後4年目から収穫を開始し、経済樹齢は約30年と言われている。
・キウイフルーツは、樹上では成熟しないため、追熟を含めた収穫後の取扱いが重要な作物である。
・緩傾斜で排水が良く、風当たりが強くない園地が適している。
・キウイの根は、根腐れしやすく、水はけの悪い土壌では根は表層近くにとどまる。
・キウイは導管の構造上、乾燥に対する抵抗性が弱い。さらに、気孔を閉じる能力が低いため、乾燥時に蒸散を抑制しきれず、ことのほか乾燥に弱い。
・したがって、キウイ栽培に不可欠なのは、棚、防風施設、灌水設備である。

2.反収および単価

・成木の収量は、10a当たり2,400kg程度と思われる。
・単価は、1kg当たり300円程度を見込むようである。

3.労働時間

・10a当たり250時間程度かかるようである。

4.必要な苗木の量と価格

・栽植密度5m×5m の場合、10a当たりおよそ33本植え付ける。
・樹勢が強く枝が徒長しやすい品種であれば27本植え(6m×6m)で間伐後は14本植え(12m×6m)とする。
・苗の価格は、1鉢4,000~5,000円程度のようである。

Ⅱ.栽培技術

1.開園の準備

・新植の場合、10~11月に植穴を掘り、1穴当たり完熟たい肥を40~60kg、ようりん200g、苦土炭カル200g程度を投入し、土とよく混ぜておく。2月下旬までに苗木を植え付ける。
・キウイは雌雄異株で、受粉の良否が生産量や果実品質に影響するので、優良な受粉用の雄品種を選択し、混植する。

2.植え付け1年目の管理

・主枝を明確にして、その枝をしっかり伸ばす。
・新梢を3本残し、他の芽は除去する。3本の新梢のうち、よく伸長する1本を支柱に誘引し、他の2本は10cm程度でカットする。
・棚上まで新梢が伸長したら棚に沿うように随時誘引し、主枝の骨格を作る。棚下30cm付近に発生する副梢を第2主枝候補とし、支柱やマイカー線などに誘引する。

3.植え付け2~3年目の管理

・主幹に近い部分から発生する強い枝を摘芯や夏剪定で徒長させない。
・強勢になりやすい主幹部と主枝分岐部30cm程度の芽をかきとり、それ以外の芽は残し、樹冠の拡大を図る。

4.成園における管理

(1) 枝の管理
・勢力の揃った枝が均等に配置されるようにする(大型側枝を主枝分岐部から1m程度の位置に配置する)
・4月上~中旬に1㎡当たり10~15芽になるように芽かきを行う。
・直立する新梢(枝)や斜めに伸長する枝を棚付けするために捻枝する。
・枝折れ防止や葉の受光効率を高めるため、4月下旬~5月にかけて新梢の誘引(棚付け)を行う。2回目以降は、6月から1か月に一度のペースで誘引する。
・6月中~下旬から、新梢の巻き付き防止と充実を図るため摘芯を行う。
・樹勢が強ければ、果実の品質向上を狙って、8月中旬~下旬にかけて幅5~10cm程度剥皮する。
(2) 摘蕾
・キウイは生理的な落果は極めて少ない。果実の初期肥大を促進させるため、開花1~2週間前に1㎡当たり30~40花蕾になるよう摘蕾する。
(3) 人工受粉
・高品質の大玉果実を生産するために、人工受粉を行う。
(4) 摘果
・6月上~中旬に1㎡当たり20~25果程度に摘果する。
(5) 袋掛け
・日焼け防止、果実同士の擦れ防止、果実軟腐病の抑制のために袋掛けを行う。
(6) 施肥
・11月に窒素12~18kg、リン酸14~18kg、カリ9~14kgを基肥として施用する。6月にリン酸4kg、カリ6kg程度追肥する。
(7) かん水
・キウイは乾燥に弱いため、かん水は、葉がしおれる前に行う。
(8) 病害虫
・果実軟腐病、キウイヒメヨコバイに注意する。
・花腐細菌病は、開花期に雨が多く、湿気の停滞しやすい園地に多発しやすい。4月下旬と開花前にマイシン剤を散布する。
(9) 収穫
・収穫は、10月中旬以降、屈折糖度計を用いて品種ごとの収穫開始糖度に達したのを確認してから行うのが望ましい。
・キウイは、成熟に伴う成分変化が樹上で起こらないため、収穫後、追熟処理を行わなければならない。適切なエチレン処理、温度処理を施してきっちりとした追熟を行う。