ズッキーニの栽培(暖地)

Ⅰ.導入に当たっての基礎データ

1.作型

・暖地では、播種は1月~4月、収穫は4月~7月の露地作型が主流である。

2.反収および単価

・収量は10a当たり1,500kg~2,500kg程度である。
・単価は、1kg当たり300円~650円、平均で430円である。

3.労働時間

・10a当たり200時間程度である。

4.必要な種子量

・10a当たりおよそ1,500粒必要である。
・種子代は、100粒当たり2,000円程度である。

Ⅱ.栽培技術

・ズッキーニはカボチャの仲間である「ペポ種」の一つで、つるなしカボチャの別名を持つ。ペポ種の仲間には円筒型と円盤型がある。

1.育苗

・ズッキーニの播種時期は、暖地では1~4月が一般的である。
・発芽適温は25~30℃、生育は10~23℃で良好である。
・タネは一晩水に漬けておく。
・苗づくりは普通カボチャに準じて、3号ポリ鉢に2粒まきし、本葉出始めのころ間引いて一本立てとし、本葉3~4枚のころ(育苗期間30日程度)畑に定植する。

2.畑の準備

・ウリ科ではめずらしく連作障害のでにくい野菜であるが、念のため、一度栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないほうが無難である。
・畝間150~180cm、株間80~90cmぐらいに植える。
・多湿を嫌うので、畑の排水を良くするために、畝は高めに作るようする。
・葉の裏に泥はねするのを防ぐため、マルチングを行う。

3.施肥

・元肥は窒素量で12~15kg/10a程度とする。
・樹の勢いがあまり強すぎると、実を付けることよりも、樹を作ることばかりに栄養を使いすぎ、結果として雌花が少なくなったり、着果が悪くなることがある。このような場合は、元肥を少なめにすると共に、樹ボケになった場合は、窒素成分を含まない葉面散布剤を散布するなどの手だてを行う。

4.定植

・本葉3〜4枚の頃(育苗期間30日程度)定植する。

5.管理作業

(1) 支柱立て
・葉が大きく葉柄の中空が大きいので、風に振り回されたり、つるが反転したりすると折損し、傷口から病原菌が入りやすいため、草丈が50cmくらいになったら短い支柱をつるを挟むように交差させ立てて固定する。放任で主枝が折れた場合、子づるが出ないので収穫終了となる。
(2) かん水
・ズッキーニは過度にかん水すると草勢が強くなりすぎて着花しにくくなる。ズッキーニの様子を見て弱らない程度にかん水し草勢を維持する。
(3) 追肥
・肥料もどんどん施用する必要はなく、生育初期に多く肥料をやると草勢が強くなりすぎて着花不良の原因になり変形果ができやすくなるので、収穫を開始してから少しずつ与えるようにする。
(4) 開花と受精
・ズッキーニの生理的な特徴として、本葉6~7枚までの位置についた花はほとんど雄花で、それ以降、次第に雌花が多くなる傾向がある。さらに、日照不足だったり肥料が少なかったりしても、雌花が少なくなる傾向がある。
・株によって、雄花と雌花の咲くタイミングが合わないことがあったり、同時期に咲いても、うまく受粉しないこともある。受粉は風や虫に頼っているため人工授粉が確実である。その場合、おしべの受粉能力が高い朝10時頃までに行うのが良く、1つの雄花で5~6果受粉できる。
・雄花がたくさん咲いている時に、朝早く雄花を取ってタッパなど密封できるものに入れて保管しておき(冷蔵庫の中で野菜室のように比較的温度が高い部屋に入れるとよい)、いよいよ雌花が咲いたときに人工授粉してやる、という方法もある。
・品種によって雄花の着生程度が異なるので、2品種を混植すると受粉が良くなる。また、遅まきのものを混植するのも有効である。
(5) 摘果と摘葉
・1番果は雄花数が少なく、良品生産が見込めないので必ず摘果する。
・ズッキーニは果実の品質を良くするため、適度に摘葉を行う。目安としては収穫果実の下3節の葉を残して、それ以外の古い葉を除去する。摘葉は晴天日の午前中に行い、夕方までには切り口が乾くようにすることが鉄則である。
・また、葉の軸(葉柄)を残して摘葉すると、葉柄が腐る場合があるので、摘葉は葉だけではなく軸の部分も取るようにする。なお、摘葉は十分な樹の勢いがある状態で行うようにする。

6.主な病害虫と生理障害

・注意を要する病害は、うどんこ病(特に草勢が劣ると発生しやすくなる)である。
・注意を要する害虫は、アブラムシ類、ウリハムシである。
・主な生理障害は、変形果、曲がり果である。

7.収穫

・収穫時期は、播種後60~90日で、開花後3~5日の短期間で収穫を迎える。
・収穫適期は15~20cm、重さが200~300gのときで、収穫が遅れると果皮の光沢がなくなり、大果になって商品価値がなくなる。
・収穫が遅れると上位の雌花の生育が劣り、草勢が弱まるので注意が必要である。